金剛石目塗の技術的特色

金剛石目塗の技術的特色は

その下地法にあります

下地は塗物の基礎となる工程です

しっかりした下地によって漆器は

丈夫で長持ちします

漆塗の下地法には大きくわけて3種類

あります(本堅地・本地・蒔地)

 

本堅地

 粉末(砥粉・地の粉など)を水と練り合わせて粘土のような状態に

 したものに生漆を加え混ぜ合わせたものを素地に塗る

本 地  粉末を生漆と混ぜて素地に塗る
蒔 地  漆を薄く塗って乾かないうちに下地用の粉末を蒔き付けて乾かす

金剛石目塗の下地は蒔地の一種の「砂の蒔地」です

 

この技法の特長は素地に漆と安倍川で採れる

良質の砂を使ってたいへん堅牢な下地層を

作る事にあります

三種類の下地法は2000年前から中国に存在

した技法で 水をいっさい加えない本地と蒔地

がより堅牢なものとされています

しかし 本時・蒔地はあまりにも堅すぎて

 

その作業効率は悪く凸凹のないきれいで丈夫な下地層を作るためには

たいへんな技術的修練が必要であるために江戸時代末期くらいから

ほとんど行われなくなってしまった技法です

 

金剛石目塗はこの「砂の蒔地」によって

表面的な美しさだけでなく熱や水にも強く

温度・湿度などの大きな変化にも

びくともしない実用性を合わせ持っています

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